#2 大杉谷=大台ケ原縦走
入山してすぐに現れる
下の廊下のような鎖場と岩場。
「お~」とすでに撮影モード。
そして、峡谷を流れるエメラルドグリーンの清流。
新緑も美しく、すでに
「来てよかった、よかった、きれい~最高~」と連呼。
二人のお客ちゃんから
「こんなにテンション高い倫子さんを見たのは初めて」
とのコメントをいただく。
歩いているだけで、気持ち良い。
人間関係、仕事などなど、悩みや疲れている人がいたら、
絶対癒される。。。そんなピースフルな空間。
道が細くなっても、鎖があるので、
しっかり鎖を掴み、足元を確認しながら歩けば、安全。
ずっと、緊張する鎖場だらけではなく、
途中、苔や緑が深い森の中に道があったり、
河原へ出てみたり、
「滑落死亡事故多発」などという事前の情報収集で
思ってたイメ―ジよりは、全然安全だった(1日目は)。
それでも峡谷の中を歩くので、落石や万一の転倒に備えて、
ヘルメットは被った方が良い。
このルート、滝も沢山見ることができ、
そして吊り橋も沢山渡る。
レベル的には、中級以上コースですが、
沢登りでもなく、細尾根を行くような登山でもなく、
一般登山道なので、特別な装備といえばヘルメット位で、
あとは、通常の夏山登山の服装と装備で行ける。
なのに、美しい滝々、吊り橋からは高度感あふれる景色を楽しめてしまう。
ただ一つ、、高所恐怖症の人には向いていない。
そんな素晴らしいルートだ。
エメラルドグリーン、濃い碧、緑~青色のグラデーション。
好みの色ばかりで、目に見えるもの90%くらい緑色。
新緑の緑と清流のエメグリの堺がわからないほど、
緑や青色で溢れている。
とても気持ち良い風が吹いているので、
ゆっくりと空間を味わいながら歩く。
途中、人が沢山追いつき始めた。
バスで来た人達だった。
こんなに気持ち良い風と景色なのに、
そんな早足で、、もったいない。
ゆっくり歩いても、時間には余裕がある。
なので、もしかしたら、安上がりのバスで来ても良かったかもしれない。
と言ったら、お客ちゃん二人は、「いやいや~」と言う。
「数千円多くだしても、タクシーで着た方が絶対良い」
人もいないし、本当にゆっくりできる。。から。
少しでもツアー料金を安くしたい、、と思っている私としては、
ありがたい二人からの言葉。
次々と現れる新しい色に、滝、清流、森。。
何回「きれい」と口にしただろう。
今日のメインの、シシ淵に到着。
峡谷の合間から滝が見え、ここが登山者の大休止スポット。
光の加減で見え方も変わってくるのだろう。
インスタ「ばえ」ポイントだ。
ここで、私たちも大休止。
北海道でこしらえてきた「PO BAR」を二人に配給。
ドライフルーツとナッツだけで作った、
ミネラル豊富で、しっとり、酸味もあり食べやすい、
天然の甘さで人工甘味料もはいっていないので、
血糖値を急激に上げることもない登山者向けのドライフルーツ―バー。
二人の口には合ったみたいで、
そこから「ぽぅバー」、、中毒者になったみたいだ。
少し森の中を歩き、そろそろかな~と思ったところで、
大きな「大杉谷」という看板。
歩いてからすでに4時間以上たっている。
「ここで、ですか~!」と皆からツッコミがはいる。
が、ここまで、看板を立てれるようなスペースがなかったのだろう。
そして、1日目最後の吊り橋。
正面には、まるでチベットの峡谷にある寺??
を思わせるような、今夜のお宿「桃ノ木小屋」に到着。
ここも、ヒノキ風呂に美味しいごはんに、、と泊まってみたかった小屋。
よく、無事でいるな~と思うほどの立地。
ドアや窓からは、峡谷の河の流れが見え、音も聞こえる。
まさに渓谷の中の桃源郷。
この日は、私たちは16:00頃到着だが、
すでに、早足で歩いていった登山者達が、
外や内で食べたり飲んだりしていた。
「北海道からですか~」とプライベート的な会話は一言だけだったが、
受付のオーナーさんかな?とスタッフの方々。
250人も収容できるというので、とても大きいが、
こぎれいにしていて、うまく管理されている。
寝床は、きれいに布団も準備され、
いわゆる「山小屋」の布団一式を3人で寝る、、ようなこともなく、
隣の人とも、程よい空間もあり、
ザックを置くスペースも十分で過ごしやすい。
途中、女性達の列があったので、
トイレ待ちかと思ったら、ひのき風呂待ちだった。
汗はかいたが、着替えればそこそこサラっとしたので、
我々は、まず喉を潤すことに。。
山小屋なので、おビールも山価格だったが、
ここは、山小屋へお金をご奉納。
プシュッとさせていただいた。
こうしているうちに、4部制にわかれた夕食が始まれば、
風呂の行列も空くだろう~と。
夕食準備で席を外し、今度は、外でまったり。
日々の仕事と今朝の早朝出発でロッキーあきこは眠そうだ。
小屋について寝てしまったら、
彼女の夕飯も二人で食べてしまうくらい、起きてこなかったことだろう。
少し布団でまったりしようか~と廊下を通ると、
風呂の行列がなくなっていた。
「いまだ~」と。
「湯舟のお湯が全然ありませんよ~」と言われたが、
もう貸し切り。
3人が適正人数くらいの風呂スペース。
たしかにお湯がない。。が、待っている人もいないので、
新しい檜風呂の中で、
お湯がいっぱいになってくるまで待つ。
「熱い~あつい~」猫肌の彩華改め鮎河嬢の声が響く。
まるで修学旅行生のノリの私たち。
ちょうどお風呂から上がると
お風呂待ちだったグループが来たので、ちょうどよいタイミング。
素敵な宿の空間を、お風呂に入りたいがために、
行列待ちしているのも、もったいない。
行列の中入ったところで、次の人の圧を感じ、
湯舟のお湯につかることなく、お風呂タイムは終わっていただろう。
本当に、今日はすべて良いタイミング。
さ、いよいよ夕食の時間。
匂いは、カレー。。きっとかつカレー。
受付で、「ごはん少な目な人はいますか~」。
私は、少な目で。。。といったが、
ルーまで少なかったので、足しにいったら、
ご飯も普通盛りにされたようで、お腹がきつい。
最後の一口がはいらないで、給食時間をすぎてもがんばっている
小学生の気持ちになっている私の後ろでは、
「4杯目~」「でも、まだ腹8分目~」とか言っているおばさま。
本当に、山の人達は良く食べる。
というか、この山小屋は追加料金なしで4杯もおかわりできるのか~と驚く。
お腹が破裂しそうになっている私の前では、
鮎河嬢が、カレーとビール500ml缶をすでに空にして待っていた。
あまりにもお腹が破裂しそうだったので、
横になって、胃を水平にしたい~私。
速攻布団の上でゴロリ、、20時前。
すでに夕食を食べて、何もすることのない人達は、寝ている。
隣では、私同様ゴロリというか本格的に寝る体制に入っているロッキーあきこ。
鮎河嬢は、薄暗い中、植村直己?の文庫本を読み始めている。
ガイドっぽく、明日の説明やお客さんの世話をすることもなく、
各々、、、私まで自由きままに過ごす。
そう。
この二人は、うちの「プロ」のお客ちゃんなのだ。
余計な気をつかったり、手がかからない。
でも、お客ちゃんなのだ。
うちのお客“ちゃん”達は、登山世代では若い方なので「ちゃん」付けだ。
私たちも、歯を磨き、各々横になって就寝は、21時前だったのでは。
清流よりはやや激し川の流れの音を聞きながら、
コロナ対策なのか、窓が開けっぱなしで冷たい空気を頬に少し感じながら、
眠りにつく。寒くはない。
日々おつかれさまな二人、、、
よ~寝ておくれ。