エゾフクロウからの教え
気持ちよく晴れた週末ですが、
ガイド仕事がないため、気になっているフィールドへ下見。
と運転していると、道路脇に、白いモフモフの物体。
「あ~もしや」と、Uターンして、空きスペースに駐車し、
歩いて見に行くと、、
やはり「エゾフクロウ」。
車通りの多い国道で、
私が見に行ったときには、いかつい車が路駐して、
なかから若めのおじさんがでてきて、写真を撮ってました。
写真撮るだけなのかな~と思ってたんですが、
良い人で、
どうしようか~と一緒に考えてくれました。
「車、路駐で大丈夫ですか?」と聞くと、
「あんないかつい車だから、誰も文句言わないっしょ。」
。。。と、ま~確かに。。。マフラー2つついてましたもんね(笑)
私は、まずは、フクロウを安全な場所へ移動、、、
とテムレス冬用グローブを装着しました。
はい、、フクロウ、、くちばしも脚の爪も鋭いです。
ばたばたしたら、どうしようか~と思いつつ、
抱きかかえると、やはり弱っているのか、
とても静か。
羽が折れているようにも見えていましたが、
大丈夫なようで、
くちばしには血。
そして、右目が鈍く、
多分、車と衝突したのでしょうか。
どこか保護センターがあればよいのですが、
釧路ぐらいしか思いつかず。
鳥に詳しい友達に連絡をとると、
1.国道なので開発局へ連絡する。
2.そのまま野生に放っておく。
というアドバイス。
円山動物園も「動物への質問は~」という問い合わせ番号があったので、
電話して、状況を説明すると、
「そのままにしておく」というアドバイス。
そうなんですよね。
わかっていることなんですけど。
野生動物ですからね。
なんでもかんでも、病院とか保護センターに連れていける訳ではなく、
若めのおじさんが心配していた「狐にやられるかもしれない」というのは、、
野生の中では、食物連鎖として日常。
フクロウだって、ネズミやウサギなどを捕食しています。
こんなに近くで、野生のエゾフクロウをみたのは、初めてです。
毛もモフモフで柔らかく、めんめがまん丸で、本当にかわいい。
そうこう、安全な場所へ移動したのですが、
私のグローブをがしっとわしづかみならぬフクロウ掴みで、
全然、放してくれません。
なので、片方ぬいで、そのまま握にぎしてもらってました。
色々と電話したり、どうしようか、考えているうちに、
わかめのおじさんが、警察に連絡したようで、
白バイの若い警察官が現れました。
週末で、スピード違反取締で忙しいと思いますが、
フクロウのために~
そして、そこの役場と連絡がとれたら、何か対応してくれるかもしれない。
でも、週末なので、休み。。。と話すと、
警察ネットワークで、連絡ができたようで、
そのエリアの鳥担当の方と連絡がとれた、、とのこと。
急いでいませんでしたが、
これ以上大げさになるのもな~と思い、
フクロウが、まぶしそうにしていたので、笹の葉で、壁を作って、
その場を離れました。
その笹の壁の中へ、移動させようと抱きかかえたところ、
この数十分の間で、回復したのか?
羽をばたばたさせ、足のつかみもさらに、強力になっていました。
鬼滅の刃のネズ子のように、
ゆっくりして回復していたのでしょうか。
この後、エゾフクロウがどうなったのか?
わかりませんが、
こんな場面に遭遇しましたら、
①グローブを着用して、安全な場所へ移動。
②刺激させないようにその場を離れる。。
のが良いことでしょう。
春先などは、親がいない間、
ヒナが隠れるためにうずくまっていることもあるようで、
やたらと保護するのも、間違いのようです。
とにもかくにも、
コロナ禍で、人間がステイホーム中は、野生動物にとっては、
本当にパラダイスだったのではないでしょうか。
これから、観光もどんどん戻り、
そして、インバンド向けの誘致も盛んになることでしょう。
北海道の自然は素晴らしく、魅力的です。
山や森に入らなくても、観光地やドライブから眺める自然の景色は、
本当に魅力的でしょう。
ただ、やはり北海道の土地、、、小さいです。
経済が潤うから、、とやたらと観光客を誘致したり、
登山者を誘致したり、、、
そうすると、物理的なキャパオーバーになったり、
雰囲気が壊れます。
そうゆうことも考えて、観光ってされないといけないのですが、
日本では、まだまだ、人数多くてなんぼ、いくら儲けてなんぼ、、
という傾向がありますね。
人が沢山くるようになったから、ホテルを建てて、バスの数を増やしてとか。
逆に、人がくるように、ホテルや観光施設を先に作って~とか。
私だって、大きな車で、
10人くらいのお客さんを案内できたら、もっともっと潤うでしょう=
そこで、価格を安くして、
アジア人の方や、観光客の方をターゲットにしても良いでしょう。
ただ、そうじゃないんです、私のやりたいガイディング。
少ない人数でも、
本当に山や自然そのものを味わえるように、、、
そう思ってます。
、、、だから、公募山行の集まり悪いんですね(笑)。
経営と理想のせめぎあい。。。
もっともっと、お客さん増えればいいな~ともう一方で、
本当は、少ない人数の方が、安全で、質も高いので、その方が良い、、、
という思いが勝ち、、
いわゆる「引き付けの法則」だかなんだか、、が効いているのでしょうか。
でも、本当に、
インバンドが復活したら、、、少し怖い状況になるな~と思っています。
どうか、
北海道の自然と雰囲気が壊されませんように。
「エゾフクロウ」から学んだことでしたー